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細越峠

 細越峠は南魚沼郡塩沢町吉山から同町長崎に通じる古道である。この峠の頂上の一本杉の下に笠石と台座に比べて胴の部分の大きい石祠がある。これがここの道祖神。胴の大きさから推して当初祠内神がおいでだったのではあるまいか。
 山麓に新道が出来て、古道は殆んど交通も跡絶え、石祠は雑木におおわれているが、むかしは通行人も多く、また参詣人も多かったという。
 ある古老は「この神様はつんぼでめくらでおしで参拝者の鳴らす神鈴や拍手では気づかないからまず小石を2、3個祠に放りつけてから…(参拝)」と語っていた。伊豆あたりは神いじめを派手にやっていたが越後には珍しい神いじめの一例である。庚申信仰との習合の跡が見れよう。石で打つ神いじめは北魚沼郡広神村滝之又の道祖神にもある。